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風があれば

都内アパート暮らしの会社員(女)のぼやき。毎日会社と家の往復でボケそうなのでブログ始めました。

沈黙 サイレンス

2回観に行った。最初から涙が溢れて止まらなかったのだけど、スコセッシが原作に28年思いを寄せ続けてきたことが映画の随所から感じ取られたことに一番心を動かされたかもしれない。完成直後のNHKのインタビューで、完成後もこの作品と旅をし続けていると言っていたけど、よくここまで長年諦めずに温めてきて映画化したと思う。一時はもうスコセッシも映画化を諦めたのかと思ったけど、待ち続けてきた甲斐があったよ。

 

ガルペの最期のシーンや、ロドリゴが牢屋の格子から切支丹の男が斬られる瞬間を目撃するシーンなど、遠藤周作が端正な文体でありながらもドラマチックに描いた場面を忠実に映像化していたし、スコセッシが遠藤周作の弱者に対する眼差しに強く惹かれて映画化を目指したという思いが強く伝わってくる。ただしラストの原作にはないシーン、あれだけは予想外だったので、戸惑った。原作で遠藤周作が出さなかった答えをスコセッシはあえて出してしまったのだけど、余りにも救いがないこの作品の最後に光を与えたかったという事はわかった。

 

ロドリゴ役のアンドリュー・ガーフィールドは完璧。こんなに困難な役もなかっただろうけど、見事に葛藤を演じきっていたと思う。イッセー尾形は凄く良かっただけに日本語で通して欲しかった。キチジローもね…うん…もっと汚くなれる俳優はいなかったかなぁ。目が綺麗すぎるんだよね。塚本晋也は前半最も印象的だったし、浅野忠信はつかみどころがない役ながらも、ガルペの最期のシーンでロドリゴに激情をぶつける所がうまいなと思った。

 

家に帰ってもしばらく頭がズキズキする。学生時代、何度も原作に戻り、自分の人生に影響を与えてきた作品に久しぶりにまた頭を殴られるような衝撃をもらった。

地上波放送は難しいでしょうね。是非映画館で鑑賞を。